知りたい!消化器内科について

働く前に消化器内科を知っておこう

消化器内科の看護師に必要なスキルについて

消化器内科の看護師に求められる重要なスキルは3つある。1つ目は、幅広い知識である。消化器内科で取り扱うのは、口腔から肛門までに至る、あらゆる臓器全般だ。脳外科などと異なり、消化器内科では人間の身体にあるほとんどの臓器を取り扱うことになるので、それらにまつわる膨大な知識が必要になるのである。

また、消化器内科に訪れる患者さんに多い症状は、便秘や胃もたれ、そして食欲不振などである。これらの症状は、消化器系の臓器由来で発症することが多いが、それ以外の疾患が原因で引き起こされていることも少なくない。そのため、消化器内科の看護師には、消化器内科で取り扱う疾患以外の知識も必要になってくるのである。

2つ目は、内科特有の処置技術である。内科特有の処置とは、ドレーン管理やストーマ、胃婁などの処置である。このほかにも、放射線療法や化学療法の看護方法や、内視鏡治療の看護方法などの知識と技術も必須と言える。1度に全てを網羅するのは難しいため、処置を行うことが多いものから優先順位をつけて学ぶことが求められるのである。

そして3つ目は他科と上手に連携をとる力である。前述の通り、消化器内科に訪れる患者さんの症状は、消化器内科で取り扱うことができる疾患以外が原因となっていることも多い。多くの科が併設している総合病院などでは、他科に移動して治療を行うこともできるので、患者の引き渡しがスムーズに行えるような状況判断力やコミュニケーション能力が求められるのである。

消化器内科に勤める看護師の役割とは

消化器内科に勤める看護師の役割は4つある。1つ目は、消化器全般のケアである。消化器内科では、口腔から肛門まで、あらゆる消化器官の診療を行うため、それらすべてのケアが消化器内科に勤める看護師に与えられた大きな役割の1つとなっている。とにかく看る臓器の種類が多いため、それらのケアに対応できる知識をしっかりと身につけておく必要がある。

2つ目は、検査値データの読み取りである。消化器系臓器の治療を行う上で、検査値データの読み取りはとても重要な役割を果たしている。血液検査の数値だけでなく、CT画像や単純X線の読み取りスキルも求められるほか、大便の色で患者さんの体調を判断するスキルも必要である。

3つ目は、食事や飲水制限などの指導である。消化器疾患を持つ患者さんに対して、食事や飲水などの指導を行うのも、消化器内科に勤める看護師の役割である。栄養不良に陥っている患者さんに対しては、栄養管理を行うチームに働きかけを行い、連携とりながら栄養管理を行う必要があるのである。

4つ目は、点滴ラインやカテーテルの管理である。消化器内科に訪れる患者さんの中には、経管栄養や静脈点滴によって栄養補給を行う方もいる。そうした方にとっては、点滴ラインが生命線であるため、きちんと責任をもって管理することが求められるのである。
このように、消化器内科に勤める看護師には多くの役割がある。取り扱う臓器の種類が多いため、幅広い知識が求められるが、その分現場で身につけることができるスキルも多くなるので、やりがいのある仕事と言えるだろう。興味のある方は、まず『看護師のキャリアアップに最適!消化器内科とは?』をチェックすることから始めよう。